手術して1ヶ月半が経ち、真冬の寒い夜に妻から妊娠報告。
まだ術後の精液検査も済ませていない。思っていた以上に早い成果に正直戸惑う。
主治医も
「手術後の検査は3ヶ月経ってから行いますが、早い人は一か月くらいで数値に変化がでます。
2週間もすれば子作りも再開できますよ。リハビリだと思って励んでください。がはは。」
なんて言っていたのでリハビリ感覚でのぞんでいたのに、そんなことってあるのか。
傷口もまだはっきり残っているし、自分では回復の自覚も無いので全く予想していなかった。
しかし、思えば妻は妊娠活動に向けたどの検査でも問題はなく(貧血はあるが)、
卵管造形の痛みにも耐え、ほぼ毎日ホットヨガに通い、
五本指ソックスやら靴下重ねばきやらで足元を着ぐるみの様にしながら一人妊活をしていたっけ。
報告を聞いてやっぱり嬉しかったけれど、ドラマや漫画みたいに、
『でかした!』
『俺もついにパパか!』
など喝采をすることも出来ず、飲みかけのビールを不思議な気持ちと一緒に飲み下して、
『ほんとうか?病院には行ったのか?』などとつまらない事しか言えない
朴念仁な自分に失望しつつも、ありがとうと謝意だけは伝えることが出来た。
自分の不妊原因である精索静脈瘤が発覚してからまだ半年と少し。
不妊期間としては短かったのではと思うが、検査や手術を受ける決断は不妊期間に関係なく乗り越えてきたことなので、
素直に手術を受けて良かったなと思えた。