精索静脈瘤 手術後

cezjaw / Pixabay

意識が戻ると病室のベッドの上。
朦朧とはしていたものの「寝ている間に居場所が変わっているのは子供の頃親に抱かれて移動していた時以来だな」と考えて、自分が現実に接続されたことを確認した。
身体がうまく動かせないので顔と目だけを動かして、傍らで本を読んでいる妻を見つけた。
戻ってきたよと声を掛けようにもうまく声が出ない。
もぞもぞと動く僕を見て、
「あ、起きた?」
と妻。
『あい』
呂律がまわらない。
「眼覚めましたー」
“注文入りましたー”のような軽いトーンで妻がナースコールをする。
看護師の説明によると、手術は予定通りに終了しその後眠っていたのは3時間程だったようだ。安静にしていれば耐えるのが辛い痛みなどはないものの、20時間位寝てたようなだるさで身体が思うように動かない。
この後数時間は水も飲めないが、点滴も入っているので我慢できない程では無い。
それよりもショックだったのは、寝ている間に完全に剃毛されていたことだ。手術前に剃毛をすると聞いていたので覚悟はしていたが、昨晩今朝と何も言われなかったのでしないものだと思っていた。
つるつる。何となく弱くなった気がする。

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